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御朱印集めて一年が過ぎ

 


気がついたら、御朱印集めを始めてから一年が過ぎていた。

 

最初に御朱印というものを知ったのは、石川県に行ったときである。小松空港に降り立ち、壁に掲げられた近隣マップを見て向かった那谷寺(遠かった)で、「御朱印はこちら」といった看板を見て、ふと気になったのだ。

 

その旅行から帰ったあと、ネットで調べ、御朱印というものがどんなものであるのかということを知った。そして、それを集めている人が割と居ることもわかった。

何故自分が寺や神社を好きになったのか、最初の記憶が全くないのだが、とにかくそういった場所によく行くことは多いのであるから、それなら自分もやってみようと思ったのだった。

 

しかし、寺や神社といったものは、何だか敷居が高いところがあるし、自分は別に信仰があって行っているわけでもない。ただ雰囲気が好きなだけで、宗教的な知識は殆どない。もし御朱印をもらうのに作法なりルールなりがあったりしたら困る。無駄に怒られたくはない。というわけで、この本を中古で買った。



決定版 御朱印入門
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これを読んで、どのようにもらえば良いかとか、御朱印にどのような種類があるかとか、一通りのことはわかった。全然難しいことはなかった。要するに書いてもらうための御朱印帳を買い、寺院や神社の御朱印を頂く場所を探して頼めば良いのだ。だいたいどこも300円程度納めればやってもらえる。

またこの本によると、御朱印というものはもともと寺院で写経をして、それを奉納すると与えられていたものらしい。それが簡略化されて、現在は参拝をすれば(そしてお礼の代金を納めれば)頂けるようになったのだそうだ。

 

御朱印に関しては「スタンプラリーとは違うので、むやみに集めるのはやめましょう」という類いの注意を読むことがある。

 

が、多分半数くらいの人は、スタンプラリー的に頂いているのではないか。正直に言ってしまえば自分はそうである。かといって、むやみに集めているわけではない(と思っている)し、できる限り参拝をしてから頂くようにはしているが。しかしたとえそうだったとしても、その寺の本尊やその他特徴に関して、以前より意識的になったので、良いのではないかと自分では思っている。ので許して欲しい。

 

11月27日現在で数えてみたところ、最初に実家の近くの神社で頂いてから、寺院と神社あわせて59個の御朱印を頂いていた。1箇所で2つということもあるので、純粋に59箇所というわけではないのだが、振り返ってみても、一つ一つの御朱印を頂いたときの場所や、書いて頂いた人のことを覚えているのが面白い。

 

どれにも思い出は残っており、またどれもありがたいものなのだが、今回はその中からいくつかとりあげてみたい。

 
東京タワーの下にあり、エヴァQと同時上映されている「巨神兵東京に現る」では見事に吹っ飛んでいた芝の増上寺。戦争のときの空襲でも実際にかなり吹っ飛んだ。場所的に吹っ飛ばされやすいのだろうか。
 
これは去年、寺院の御朱印としては初めて頂いたものである。何故増上寺に行ったのかというと、右下に捺されているように、法然上人の八百年忌で、普段登れない山門の上の仏像や、徳川家の墓所などが公開されていたからだ。御朱印はお守りなどを販売している場所で受け付けていたが、若くて体格の良い、鋭い目をメガネの向こうから覗かせているお坊さんが対応してくれたのを覚えている。
 
寺院で御朱印をもらう場合、それを書いてくれる人はたいてい3つのタイプに分かれる。書道仙人のようなオーラを放つ老人男性か、知的で白髪交じりの女性か、怖くて強そうな30代くらいの男性の僧侶、のいずれかである。他のパターンもあるが、この3タイプが割と多い。ちなみに神社になると、「書道を習ってました☆」的な、大学生のバイト風のことが割とある。
 
写経というものがあるからだろうか、基本的には寺院でもらうもののほうが字にすごみがある気がする。
 
 
コレは浅草寺である。書き手は女性であった。多分御朱印のためにお寺で働いている人なのだと思う。増上寺もそうだが、このような人が多く訪れるところは、書き慣れているのか、速くて上手い。医者みたいなものかもしれない。ほかにもいくつか女性の方に書いてもらった御朱印があるが、やはりどこか男性が書くものとは違って、少し優雅な感じになっている気がする。
 
地域によっても御朱印の雰囲気が微妙に変わる。
 

 

 
 
初詣でもらった、鎌倉の長谷寺高徳院のもの。後者は大仏様のあるところ。赤い菱形の印も「大佛殿」となっている。「かまくら」がひらがななのが良い。
 
どちらも東京のものより、筆が速いように見える。あとこちらもやはり人が多く訪れるので、書き慣れている感じがある。
 
 

 

 
同じ鎌倉だが、北鎌倉のほう。こちらは字が大きくて力強い感じ。ご本尊によっても変わるのかもしれない。
 

 

 
こちらも鎌倉、明月院。女性である。場所の雰囲気も上品でこんな感じ。浅草も聖観世音菩薩で書き手が女性だったが、何か関係あるのかしら。たまたまか。
 
どのお寺もだいたい、その場所の雰囲気が御朱印に何となく出ているのが面白い。上の円覚寺建長寺もだいたいこの御朱印みたいな印象のところである。
 

 

 

 

 
上から、三十三間堂金閣寺銀閣寺、清水寺
 
これまでの関東のものとは違う感じがしないだろうか。なんというか、一言で言えば偉そうである。さすが京都様、さすが国宝、さすが世界遺産、という感じがする。単純にまず字がでかい。まあ、「○○如来」、「○○観音」系でないからかもしれないが。
 
最初の三十三間堂は若くて優しそうなお坊さんだった。銀閣寺は御朱印帳を行きに預けて帰りに受け取るパターン(割とある)だったので書き手は不明。金閣寺清水寺は御朱印マスター系のおじいさん系だった。
 
金閣寺ではこれを書いてもらっている間、横にいた中国人ツアー観光客の女の子から、極めて自然に中国語で「これは何を書いてもらっているのか」的なことを尋ねられた。つまり同国人だと思われたのである。中国人だと思われたのはこれで人生三度目である。かつてフランス人に中国人だと思われ、日本人に中国人だと思われたことはあったが、この時とうとう、中国人に中国人だと思われた。ニイハオ。
 

 

 

 

 
奈良の薬師寺唐招提寺
 
薬師寺は派手派手である。本堂なども竜宮城のような色使いだったが、それが字にも現れている気がする。書いてくれた方も「俺に任せとけ」的な威厳というか風格があった。
 
唐招提寺薬師寺から歩いて行ける場所にあるのだが、またこれも寺の雰囲気に合っているというか。薬師寺がシンセなら唐招提寺はアコギ、みたいな感じなのだが、見事にそれが御朱印にも反映されている気がする。ちなみに唐招提寺はご本尊は盧舎那仏なのだが、千手観音が凄い。行ったら是非見て頂きたい。
 
まだ色々あるのだが、書き疲れた。また気が向いたときにまとめてみたい。