どうかKappaと発音してください。
というわけで、合羽橋の近くにある、曹源寺、通称「かっぱ寺」にお邪魔してきた。
伝承によると文化年間(1804-17)に、当地の住人で雨合羽商の合羽川太郎(合羽屋喜八)という人物がいた。この付近は水はけの悪い低地で雨が降ると洪水となり、人々は困窮していた。そのため川太郎は私財を投じて排水のための堀割工事にとりかかった。このとき、かつて川太郎に助けられた隅田川の河童が工事を手伝い、堀割工事が完成した。この河童を目撃すると商売繁盛したという。
と、台東区教育委員会による説明板に書かれていた。いい話である。河童を助けたときのエピソードが知りたい。俺も河童を助けたい。
門をくぐるとさっそく「かっぱのぎーちゃん」が。しかしなんだか前衛的というか現代アート的である。ちょっと怖い。
さらに奥に進むと、河童夫妻。その左後ろに見えているのが合羽屋喜八の墓碑らしい。その縁でここが「かっぱ寺」となっているようだ。
見ていたはずが見られていたりもする。
階段を上ると、河童マーク入りのお賽銭箱が。
そしていよいよ中へ。
(ちなみに事前に予約していないと中には入れません。ガラスを通せば一応覗けるけど)
まずご本尊の掛け軸を拝む。「波乗河童」というそう。かっこいい。左手に持っているのはお金で、特に水商売の人から篤く信仰されているらしい。拝むときは「オンカッパソワカ」と唱える。
天井には色々な人が描いた河童のイラストが納められている。
水木しげる。かわいい。
天井画を見ていると、「河童」とひとことにいっても色んなデザインがあるのがわかる。だがとりあえず「頭に皿があり、手足に水かきを持ち、緑っぽい」という基本的な特徴だがあれば、どれも河童に見える。くちばしとかはそれぞれの好みであったりなかったりだし、服を着ていたりするのもある。河童は自由にアレンジできる幅が広いのが凄く良いところだと思う。初音ミクなどもCGM云々とかではなく、単に現代の河童なのかもしれない。
まあそんなこと言ったら仏やキリストもある程度そうかもしれないけれど。
河童の手のミイラ。割と小さい。博物館の企画展で展示されたりもしたらしい。説明プレートは多分その時のもの。
この極東の島の上には「日本」という国しかないと思っていたのだが、実は「河童連邦共和国」もあったらしい。寡聞にして知らなかった。この曹源寺は「大統領府」で、年の初め頃に「国民」が全国から集まってくるのだそうだ。何をするんだろう。みんなでキュウリを食べながら芥川龍之介の「河童」を読んだり、「ぼくの考えた河童」を披露しあったりするのだろうか。よくわからんけど、河童好きが集まったその光景はものすごく楽しそうである。
堂内は他にも河童グッズで溢れている。
やはりどれも皆違うデザインになっているのが面白い。
お寺から出ても、河童はまだまだいる。
この日は合羽橋のフェス。人多杉。
何故か子供に大人気だった、ごはん500人前、みそ汁1000人前が作れる釜。20万という価格が安いのか高いのかわからん。使うにしても水加減とか難しそう。
こんなディスプレイ用のアレコレを売っている店も。