タクシーに揺られること15分ほど(?)で、麻豆代天府に到着。
正門のド真ん前にベタ付けで停車。運転手のおっさんに金を払おうとしたところで、
「どれくらいここにいる? 1時間、2時間? あん?」
と訊かれる。
「うーん、まだ決めてない」
「あん?」(←通じてない)
「あい・どんと・のー」
「おー。携帯電話持ってるな? 名刺やる。帰り電話かけろや」
アクセス的に車がないとどうしようもない場所なので、帰りはこの名刺が本当に役に立った。
中に入ると、さっそく左手にキングスライムに装飾を施したような建物が。
幼稚園の頃、紙粘土を円盤状に固めたものにイチゴを表現する赤い点を塗って、「ショートケーキ」として提出しようとしたら、手抜きだと思われたのか、「もっとたくさんきれいな色を使いましょう」などと言われたので、仕方なく全体を水色に塗りたくり、上部に七色の模様をちりばめた物質を提出する羽目になったのだが、それに似ている。
中もなかなか派手である。
仏像の両サイドにある塔をよく見ると、小さな仏像ケースのようなものが重なってできていた。
続いて本堂を見学。
台湾のお寺には電飾の看板がある。慣れてないとびっくりする。
前日の金剛宮で見た甲子太歳金辨大将軍がここにも。
写してはいないが、お寺の事務職的な人々が、みんな机に突っ伏したり、椅子に座ったりして眠っていた。初めは物凄くやる気が無い施設なのか、大丈夫なのか、と不安になったが、どうやら12時台で昼休み休憩だったらしい。
そうだとしても、こういう客が来るような場所の持ち場でそのまま寝るとか、日本ではちょっと無い風景。
他にも本堂の中にはいろいろあるのだが、4時間もかけてここまでやってきた目的は本堂の裏にある。
大きい。
そう、この龍に会いに来たのだ。後ろのビルなどを見て頂ければサイズ感はお分かりいただけるだろうか。
大きいだけではなく、中に入ることもできる。
しかも地獄巡りになっているのである。
というわけで、2日続けての地獄。
入場料を払い、階段を降りていく。
壁画が立体的になっている。入場者の視点に対して斜めに浮かび上がらせようと変に気を利かせた結果、見ていて酔いそうな造形となっていた。
珍スポ定番の貸し切り状態である。たまに他の現地の観光客が後ろから来ることはあったが、狂ったように写真を撮る謎の日本人を見ないフリをしながら足早に通り去って行った。
内容的には金剛宮と同じ地獄を表しているようだが、こちらがすごいのは、「機械仕掛けで動く」という点である。入場者の動きをセンサーで感知すると電源が入り、それぞれの地獄が動きを持って再現されるのである。
例として、「人体磨り潰し&蒸し焼き地獄」をごらん頂きたい。
管理不足で人形の足がもげたままになっていたり、人形が油切れでキコキコ音がしたり、毎回唐突に電源が落ちて終わったり、色々と行き届いていない感じがとても良い。
自動車(?)で轢く地獄。行ったり来たりして何度も轢くというえげつなさが電動で再現されていた。
血の池地獄 。
何故か虎を台にして首を切る地獄。
目を重点的に責める地獄。
これを読んで実際に現地に行く方がいるかどうかは知らんが、中はかなり暗いので、写真を撮るならフラッシュは必要だと思う。iPhoneだと動画を撮ったりするのは少々厳しいかもしれない。
地獄巡りを堪能したあとは、天国もある。ただし、別料金。
ここにも不安定壁画が盛りだくさん。
門番的な、孫悟空的な人
目が完全にイってる。
しかし、日本も台湾も、天国ってのはどうも・・・
地獄と比べて、イマイチというか、何というか。
制作した側も地獄のほうが楽しかったんだろうな、という感じが伝わってくる。。。
とはいいつつも、変なものはあちらこちらにあるので、気は抜けない。
壁画だからまだ良いが、実際こんな人がいたら、どういうリアクションを取れば良いのか困る気がする。
ひたすら続く不安定壁画に導かれながら、階段を上っていく。
そして
龍の口に辿り着いた。出口である。
なんだろう、この、絶妙にオチの無い感じ。
これが良いのかもしれない。良くないのかもしれない。
よくわからない。
よくわからないが、自分は楽しかったので、まあ、良いのだろう。